不動産投資 大阪の示し方
抱えているリスクを正確に把握できないことは危険ですしそうでなくとも無駄があるかもしれません。
そこで事業に関わるリスクを統一的に評価しかつ可能ならばそのリスクを別の主体に負担させてより効率的に事業リスクを管理することが考えられます。
事業における金融的手法の利用と呼ばれる動きがこれですがいずれにせよ提唱されるこれらのアイデアはいかなるリスクでも機能面から統一的に評価して扱おうという要請のごく自然な帰結なのです。
現代の金融活動はこのように機能という視点から見ることで統一的に理解できます。
むしろ機能という視点から見なければ理解できないと言った方が正確かもしれません。
この考え方は「金融に関する機能的(functional)アプローチ」とも呼ばれます。
その後M.Sとともにノーベル経済学賞を受賞することとなったR.Cが1992年の論文“OperationandRegulationinFinancialIntermediation:AfunctionalperSpective"で論点を整理して以来この用語が広く使われるようになりました。
しかしながら機能から理解するというアイデア自体はそう新しいわけではありません。
金融活動をリスクを分担する機能として理解することは経済学で古くから行われてきたことです。
先端を行く実務家の間に金融に関するそのような理解が知的基盤として存在したところに証券化金融商品やデリバティブがリスクを加工して取引することを可能にする、新たな技術として登場したためそれらを利用し制度を超えて機能を果たす方法を提供することが現実のビジネスとして瞬く間に広がったのです。
そしてこのような実際の金融ビジネスの変化と見識の浸透こそがその後の世界の金融市場のあり方を急激に変革する原動力となっているのです。
現代の金融市場では様々なリスクが既存の制度の枠組みを越えこれまでにはなかったほど広い範囲の人々によって取引されます。
しかもそれらのリスクは当事者の望むままに選別され細分化され加工されて取引されます。
証券化の手法はこのことを可能にする社会的な基盤の一部なのです。
原点に戻って再び住宅ローンの証券化とCMOを思い出してください。
MRSは住宅ローンの返済金を原資に購入者に支払いを行う証券としてそれまで一部の金融機関だけが行えた住宅ローンへの貸付けを機能のうえではMBSを購入するすべての投資家に可能なものとしました。
実質上住宅ローンへの貸付けというそれまで一般的には取引されなかったリスクを資本市場で取引できるようにしたのです。
さらにCMOはMBSが抱える期限前償還リスクを分割・細分化し短・中・長期の異なる投資目標を持つ異なる投資家の異なる需要に合わせた証券を作り出しました。
個々の投資家が個々に需要する個々のリスクをばら売りにして取引することを可能にしたのです。
この結果MBSは住宅ローン貸付けに関わるリスクを負担できる主体を一部の金融機関から資本市場に参加する投資家全体へと広げます。
リスクを負担する能力が増した分住宅ローンへの貸付けは円滑になります。
一方MBSを購入する投資家はこの新たな投資機会を利用することでより望ましい投資を達成できます。
さらにCMOによるリスクの細分化は異なる投資家の異なる需要を適切に満たし投資家にとってより一層望ましい投資を可能にします。
ABSCAT債券天候リスク証券化商品も同様に様々なローンへの貸付けのリスク保険リスク天候変動のリスクを負担できる主体の範囲を広げリスクの負担能力を上げるとともに投資家に新たな投資機会を提供しているのです。
このように証券化の手法を用いてリスクを資本市場で取引できるようにすることでリスクはより広い範囲の人々によって広く浅くしかも需要の強さに応じて順番に負担されるようになります。
さらに負担するリスクの内容も分割・細分化されコントロールされることで個々の投資家の需要に一層適合したものとなります。
この意味で証券化は社会全体のリスクの分担をより効率的なものへと高めることを可能にしているのです。
証券化はデリバティブとともに新たなリスクの取引とコントロールを可能とし社会全体のリスク配分の効率性を向上させる方法としてなくてはならない社会基盤の一部となっています。
これが現代の金融市場における証券化の意義なのです。
おわりに以上の話から証券化の基本的な機能が「リスクを取引する手段」であることは理解していただけたと思います。
これをどう使うか。
あとは使う人の工夫次第です。
実際証券化の手法は様々な場面で利用されすでに現代の金融市場においてなくてはならない役割を担うようになっています。
ただし一つだけ注意して下さい。
「証券化によってリスクを取引する」ことを理解したとしてもそれは単に「車が地面の上を走る」ことを理解したにすぎません。
実際に車を走らせるためにはその背景に技術が必要であるように実際に証券化を行うためにもその背景に技術が必要です。
車の性能を高めるためにはその開発にお金と時間をかける必要があるようにより望ましいリスクの取引を行うための新しい証券化金融商品の開発にお金と時間をかける必要があります。
車がスムーズに走れるように道路や交通規則の整備が必要なように証券化金融商品の開発と取引がスムーズに行われるために法律や制度の整備が必要です。
証券化の手法を社会全体で利用して行くためにはそれを実行できるファイナンス金融に関わる法律経営等の技術とノウハウを持った人間の集団の形成と制度の一層の整備が必要でありそのために資金と資源の投人が不可欠なのです。
英語によるディスクロージャーが認められる有価証券および国・地域の範囲は段階的に拡大されることになっており、近い将来、日本市場に上場する外国企業について外国基準・英語によるディスクロージャーが認められることになるでしょう。
ただし、有価証券届出書は日本基準・日本語で作成しなければならないので、世界同時に資金調達をするグローバルオッファリングを一種類の開示書類ですることはできません。
次に、日本の投資家が外国株式等に投資をする場合を考えると、外国株式も証券取引法(金融商品取引法)上の有価証券なので(2条1項17号)、販売・勧誘行為が国内で行われるかぎり日本の法律が適用されます。
これに対し、海外の証券取引所が日本国内に端末を設置し、国内の投資家が端末を通じて海外の取引所における取引に直接参加することについては、明確なルールがありませんでした。
そこで、平成15年改正の証券取引法はこの点についてルールを定めました。
金融商品取引法下の制度を説明しますと、外国金融商品取引所による国内端末設置は国内における金融商品市場の開設と位置づけられますが、外国金融商品取引所は、内閣総理大臣の認可を受ければ、金融商品市場開設の免許を受けることなく、国内の端末を利用した外国金融商品市場における有価証券の売買や外国市場デリバティブ取引を取引参加者に行わせることができます(155条)。
外国金融商品取引所は本国において規制・監督を受けているため、一律に国内取引所と同様のルールを課す必要はないと考えられたからです。
外国金融商品取引所の認可に当たっては、認可申請者が本国において金融商品市場開設の免許と同種類の免許を受けているか、認可申請者の取引参加者に対する自主規制が十分なものであるか、認可申請者の業務規則が投資家保護のために十分なものであるかなどが審査の対象となります(155条の3)。
海外の投資家が海外の証券業者を通じて国内の市場取引に参加するには、外国証券業者のうち取引所取引許可業者の制度が使えます。
この点については皿章7節で説明しました。
将来、資本市場のグローバル化かいっそう進展したときにわが国が直面することになる重要な問題は、自国市場の投資家保護という法の目的を貫くべきか、資本市場の統合のために資本市場のルールを国際的に統一化すべきかという問題です。
アメリカは前者の考え方を堅持しているのに対しEUは後者の道を進んでおり、日本の立法政策の舵取りは、理論的にも実際的にも、ますます難しくなると思われます。
金融商品取引法は、投資商品に関する商品横断的、業者横断的なルールを定めることを目指したものであり、預金契約や保険契約を含めた「金融サービス法」の制定は、今後の課題とされています。
投資に関する消費者保護法制については、平成19年の金融商品販売法の制定をホップ、今回の金融商品取引法(投資サービス法)の制定をステップとして、ジャンプで金融サービス法を制定すべきだという声も聞きます。
それでは、近い将来、金融サービス法を制定することは可能でしょうか。
預金契約と保険契約を例にあげて、現在の金融商品取引法の内容である、ディスクロージャー制度、不公正取引の禁止、業規制をそれぞれうまく適用できるかという観点から考えてみましょう。
金融商品取引法は、有価証券の定義に当たって、流動性を要件としない考えを明らかにしました。
ディスクロージャー制度は有価証券について適用されますが、預金契約や保険契約に流通市場がないことは、ディスクロージャーを適用する妨げにならないことが分かります。
不公正取引の禁止については、上場されている有価証券・デリバティブ取引に適用が限定されている規定もありますが、そうでないものもあります。
したがって、預金契約や保険契約に流通市場がないことは、上場商品以外のものを対象とする不公正取引禁止規定を適用する妨げにもなりません。
一番の問題は業規制です。
まず、投資性の高い預金契約や保険契約に準用される業者の行為規制)は、その内容を見るかぎり、投資性の低い普通預金や通常の保険契約に準用してもおかしくないことが分かります。
なぜなら、これらのルールは当然のことを規定したものに過ぎないからです。
適合性の原則(40条)にしても、金融商品販売法に基づいて公表されている「勧誘方針」において、その遵守が表明されているのがふつうです。
販売・勧誘ルール以外の行為規制についても、金融商品取引法にあるルールを銀行や保険会社に及ぼしていくことに、理論上の困難はさほどないように思われます。
次に、業規制について金融商品取引法は、金融商品取引業を行う者を金融商品取引業者と定義し、金融商品取引業者のすべてに適用されるルールを定めたうえで、金融商品取引業のうちこれに適用される特則を定めるという方法をとっています。
この方法を銀行業や保険業に及ぼすとなると、銀行業や保険業を構成する行為をすべて含んだ金融商品取引業の定義規定を設け、業規制として特別なルールが必要な業務を分類して、それぞれ特則を定める必要が生じます。
しかも、銀行業や保険業の規制の目的は、金融商品取引業の規制目的と大きく異なる部分があるため、規制はかなり複雑なものになると思われます。
現行の業規制を寄せ集めることは簡単ですが、体系的に整えることはかなり難しいでしょう。
以上のように、銀行・保険の分野を含めた金融サービス法の制定は十分可能であると考えますが、業規制については、金融サービス法の名にふさわしい横断化・柔構造化が達成できるか疑問も残るところです。
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